痛くない矯正はあるの?
歯並びをきれいにしたくても、矯正をすると痛みがあるという話を聞くと、二の足を踏んでしまうかもしれません。すべての矯正治療は痛みが伴うのでしょうか?痛くない矯正はあるのでしょうか?
〈矯正治療はどうしていたいのか?〉
そもそもなぜ矯正治療には痛みが伴うのでしょうか。矯正治療をするとき、いろいろな装置をお口の中に装着します。一般的に使用されるのはマルチブラケット矯正ですが、矯正器具が舌やほっぺたの粘膜に当たるため、口内炎ができるなどのトラブルが起きやすいです。
また歯を動かすときにも痛みが生じます。歯は動かしたい方向に力をかけると、その方向の骨がゆっくりと溶けます。溶けることによって歯が動き、動かした方向の反対側に新しい骨ができていきます。これが歯が動くメカニズムです。歯の骨が溶けるときに、痛みを感じます。個人差はありますが、矯正装置をつけてからだいたい1週間前後は痛みを感じることが多いです。
〈痛くない矯正はあるのか?〉
痛みを感じることなく矯正することは可能なのでしょうか。正直なところ、全く痛みのない矯正はないと思ったほうが良いでしょう。しかし矯正の痛みを和らげることは可能です。矯正器具がお口の粘膜にあたっていたい場合は、器具にワックスを付けることによって、粘膜を保護することができます。
矯正治療の方法によっても、痛みは変わります。ワイヤーを使った矯正は、個々の歯に力が加わるため、痛みを感じる方が多いです。一方、インビザラインなどのマウスピース矯正は、歯全体に力をかけるため、比較的痛みを感じにくいです。
全く痛みのない矯正は期待できませんが、痛みできるだけ少なくする矯正が可能か、カウンセリングのときにしっかり確認しましょう。